2018/05/23

MINOLTA TC-1と萩笠山からの眺めと思うこと

凄いと思った風景を伝える技術がない。

風景とかを凄いと思っても写真に撮ってみるとなんてことないなあ、という場合が結構ある。たとえば、笠山山頂の展望台から撮った写真は、リアルに風景を観ている時には広大な海と薄霞を思わせる黄砂かPM2.5かでとても雄大でそれでいて美しく見えた。しかし、写真に撮ってみると、画面の一部に切り取られたことで雄大さは消え、二次元なので遠近もはっきりせず、霞かスモッグかわからない寝ぼけた写真となりはててしまっている。もちろん、これはフィルム写真、TC-1に不慣れな僕の腕の問題だ。

写真とはいっても、人が網膜に伝えることとは無関係なことなので、描写に限界はある。さらに、人がなんとなく見えている世界から、ほんの一部を四角く切り取って見せることしかできない。だからこそ、時にリアルな風景以上に劇的に感じられることもあるわけだけれど、それは偶然撮ろうとすると山ほどの試行錯誤が必要になる。そしておそらく僕の一生に残された時間では、心の底から凄いと思える写真を撮る時間は残されていないように思える。かといって、写真を勉強して画角に懲り、適切な絞りを計算し、シャッタースピードを適切に判断し、物を用意したり配置を変えたり、などなど様々な準備をして写真を撮る気は僕にはまったくない。僕の嗜好の問題に過ぎないのだけれど、様々な準備や加工をした芸術を目指した写真にはまったく興味はない。僕が撮りたいのは、ただ偶然に頼った風景と時に人物、奇跡の1枚だけだ。努力せずに結果だけ得たいという、非常にわがままなだけなのだけれど。

なお、笠山山頂に行ったのはまったくの偶然だ。うっかり車内灯をつけっぱなしにしてしまってバッテリーを上がらせてしまったのだけれど、始動した後に1時間から1時間半はエンジンをかけっぱなしにしないといけないのでそれだったらと適当にドライブして行き着いた先だった。

MINOLTA TC-1, FUJICOLOR C200, 現像:カメラのキタムラ萩店






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